TRFB1014
INFORMATION
TRFB1014 “cle+ec+1ve”
Released on 2022.10.23
第九回博麗神社秋季例大祭
●本作は音楽CDではありません。楽曲データをダウンロードする形式の作品です。
thank you!秋例大祭 え25b
— m (@m073111) October 22, 2022
Traumerei Fabrikさん
新譜『cle+ec+1ve』
紅魔郷の子たちを描かせていただきました
ダウンロード形式の作品ですが、素敵な仕組みがあるみたいです
物質として手元において頂けたら幸いです https://t.co/yAQDyj9FEg pic.twitter.com/Wun9kYi2QZ
STORY
紅霧異変以降──、フランは495年の“引きこもり”を卒業し、時折紅魔館を散策するようになった。
そのおかげで以前よりも「フランドール・スカーレットという存在への畏怖」は薄れていた。館の外にも漏れ聞こえるほどには、フランの狂気は過小評価されてゆく。
妹様が出歩くようになったことは、それ自体は好ましいことである一方、“勘違いしたお客様”が増える原因にもなっていて……。とくにここ最近は、館の門番が愚痴る程度に望まざる客人の来訪が増えている。
周りのことに無関心なパチュリーではあるが、自分が集中しているときに外が騒々しいのは思いの外ストレスだった。
そんなある日、紅魔館の庭園で激しい爆発が起こる。それはまるで、「すべてを破壊する程度」の衝動が抑えられていないかのようで────
TRACKS
- ignition
- benefaction
- distortion
- whatever
- detective
- perspective
- the game is afoot!
LINERNOTES
推理小説、好きなんですよね。といってもそんなに詳しくないんですけれど。
パチュリーの安楽椅子探偵と聞いた時に「お、いいじゃん」と思ったのも束の間、推理小説の組み立ての難しさに直面してわりと苦しみました。とくに秋晴とぼくが意識したのは誰も悪者にしないこと。ストーリーを考案する段階ではすでに、曲は明るく行きたいよね、という方針はそこそこ見えていたので、誰かを犯人に仕立てるのもな……、そもそも紅魔館の連中にシリアスなドラマが演じられるのかな……、ということでたどり着いたのが、叙述トリックでした。ええ、叙述トリックです(盛大なネタバレ)。
原作ではフランがアガサ・クリスティの著書『そして誰もいなくなった』に言及していることにあやかって、本作は『アクロイド殺し』をほんの少しだけリスペクトしています。また7曲目のタイトルは秋晴くんの提案でホームズからの引用にしてみたり……と、ネタバレはこのくらいにしておきますが、最後のスパイス程度に色々なことを隠してみました。そういった点でもお楽しみいただける作品になったのかなと思います。
さて。「3年ぶりの新作」の制作にあたって、ぼくらは大いに悩みました。前作がそれなりに手応えがあったのもあり、今回も意味ありげなものじゃないと復活にふさわしくないのでは、なんていっぱしのクリエイターを気取ったりして。でも悩んでいるうちに、景気よく、聞いていて楽しい、考えてみて楽しい、そういう作品のほうがいいんじゃないかと思いはじめて、本作はできあがりました。頭からっぽにして聞いてみてください。気持ちいいと思います。たぶん。ランダム再生もいいぞ。
ご視聴中にはぜひ、「どんな場面なんだろう?」と妄想してみてください。キャラクターたちがみなさんの頭の中でセリフを言い始めたらぼくたちの思惑通りです。
イラストはmさんにお願いしました。今作、デザイントーンがわりと女性的な方向に振り切っているなかで、いい意味でエレガンスになりすぎないというか、ポップで楽しい雰囲気も感じられる、だけどトーンから大きく外れはしない、という絶妙な塩梅のものに仕上げていただきました。mさんのイラストがなければこのニュアンスは伝えられなかっただろうなと思います。感謝です。ちびキャラたちも紅魔館の中でドタバタと個性を発揮してる感じがありありと出ていて最高ですよね……。
てな具合で、みなさん、お久しぶりです。これからもTraumerei Fabrikをどうぞよろしくお願いいたします!